店舗外観
地図

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創   業: 1675年(延宝3年)
代   表: 野 昌明
業   種: からすみ
所在地: 〒850-0877 長崎市築町1−16
TEL 095-822-6554
ホームページ http://www.karasumi.jp/
     
     
 
長崎県庁通りに位置する『野屋』は、現在もからすみ一筋に営んでいます。
野家は熊本県八代の出身で長崎に移住して来たのが、出島埋立工事の際(1620年頃)、当時、八代からの移住の方がかなり多かったらしく、創業者の勇助はその中の一人 でした。そこから、承応年間(1655年頃)に伝来した『からすみ』の製造を始める前は万屋町にて魚屋として開業、その辺 りが街を中心とした魚市場(船着場)であったことと、『からすみ』 が製造され始めた頃には 、まだ冬季(11月〜12月)の季節物だった為に多種のものを販売していたようです。
本下町(現在の築町)には明治初期、移転しました。現社長、 野昌明は十三代目にあたります。左記の写真は現在の場所より数十メートル西に位置した店舗(明治)のもの で、写真の人物は昌明の祖父、作重です。
   


昭和6年、からすみが
天日干しをされている写真

現在も変わらぬ製法
工場では、今も毎日、『からすみ』の製造に多くの時間を費やしています。屋上には、木の台に置かれた板にズラリとからすみが並んでいます。飴色のものから茶色のものまで大きさも様々です。
朝出して干して、2時間毎に返し、夕方の3時か4時には引っ込め 、小さいので1週間ぐらい、大きな物だと干すだけで10日間 ほどかかります。
からすみの琥珀色に輝くあの美しさはこの日々の天塩にかけた工程と自然の陽光をたっぷり浴びた賜物なのです。
からすみの原料はぼらの卵で、漁師から塩漬けされたものを仕入れ、これに更に塩を足して、1週間以上塩漬けにして、1日かけて塩抜きをします。塩は岩塩を粉砕したものを使用し、塩抜きはひとつひとつを丁寧に水の中で卵の皮膜に着いた余分なものをはぶき、板に並べて一晩重しをかけて整形し干します。
すべての工程に費やす時間は20日ぐらいで、一番の苦労は塩抜きです。塩を抜き過ぎると乾きが遅くなり味もよく出 ず抜き方が少ないと辛くなります。当店のからすみは昔ながらの味がすると喜ばれて おりますが、それはこの塩抜きにおうところが大きく、「塩抜きで味が変わる。」その按配は 代々培われ真似のできない老舗の仕事によるものです。
   
からすみの由来
「からすみ」はギリシャ・エジプトに産し、古くより塩漬けとして食膳に上がっていましたが、日本には承応年間(1655年頃)約340年前、長崎に伝来しました。当時は鯔(ぼら)ではなく、鰆(さわら)の卵で作られていたそうですが、鯔の卵で製造したのは、当社の先祖がはじめて ですからということです。「からすみ」の生みの親ということになります。
その後正徳二年(1710年)より、長崎奉行を通じ、宮中及び将軍家を初め、食通の愛用品として需要されまして漸次その名声が知られて天下の珍味として上戸党の好む処となり今日の名声を博している次第です。
「からすみ」は加工品ということから、食べ方も様々、通常は切り身で酒の肴として食しますが、他にも「からすみほぐし」という商品は、こんがりと焼かれパウダー状にしてありますので、からすみスパゲティにしたりするのも美味です。
長崎で、ぜひこの珍しい独特の味をご賞味ください。
   
宮内省御用品
正徳2年(1710年)より、長崎奉行を通じ、宮中及び将軍家の御用品として献上されてきた『からすみ』は食通の愛用品としてその後の名声を博しました。上記の写真は昭和19年まで続けられていた宮内省への御用品としての貴重な記録です。
 

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